if-thenプランニングのやり方|「もし〜したら」で習慣を始める書き方と例

目次
if-thenプランニングは、「もしXの場面になったら、Yをする」と1文で先に決めておく方法です。やると決めたことを、実際に始めやすくなります。
- 「毎日勉強する」ではなく、「夕食の食器を洗い終えたら、机で単語を5個覚える」のように決めます
- 94の研究をまとめた論文で、目標を達成した人が増えると確かめられています
- 場面は毎日必ず起きることにして、行動は小さくします
if-thenプランニングとは
if-thenプランニングは、心理学者のゴルヴィツァーが「実行意図」という名前で調べてきた方法です。
「運動したい」「勉強を続けたい」と思っていても、いつ始めるかを決めていないと、忙しい日に後回しになります。if-thenプランニングでは、始める場面(もし)と、そこでする行動(なら)を先に決めておきます。
| 目標だけ | if-thenプランニング |
|---|---|
| 運動を続ける | もし帰宅して靴を脱いだら、そのままスクワットを10回する |
| 英語を勉強する | もし通勤の電車に座ったら、単語アプリを開く |
| 早起きする | もし目覚ましが鳴ったら、カーテンを開ける |
場面が来るたびに「やるかどうか」を考え直さなくて済むのが、この方法のよい所です。
どれくらい効果があるのか
if-thenで計画を立てると、目標を達成する人が増えることが、多くの研究で確かめられています。
ゴルヴィツァーとシーランが2006年に94の研究をまとめた論文では、if-thenで計画を立てた人のほうが目標を達成していました。効果の大きさは「中くらいから大きい」とされる値でした。
運動の研究もあります。2002年にイギリスで大学生248人を調べた研究では、運動の大切さを説明するだけでは、運動した人は増えませんでした。説明に加えて、いつ・どこで運動するかを書いてもらった人たちは、運動した人がはっきり増えました。
ただし、どの研究も短い期間を調べたものです。何か月も続くかまでは分かっていません。続けるための工夫は、下の「できなかった日の決め方」と「ごほうびと組み合わせる」に書きました。
書き方の3つのコツ
1. 場面は毎日必ず起きることにする
「時間があったら」「やる気が出たら」は、来ない日があります。食後・帰宅・歯みがきのように、毎日必ず起きることを場面にします。
時刻で決めるより、前の行動で決めるほうが分かりやすくなります。「21時になったら」は気づかずに過ぎますが、「歯をみがいたら」はみがき終えたときに思い出せます。
2. 行動は小さく、すぐ始められることにする
「1時間勉強する」は、疲れた日に始められません。「机に座って1問だけ解く」のように、2分で始められることにします。始めてから続けるのは自由です。
3. 1つの場面に1つの行動
「食後に、皿を洗って、勉強して、ストレッチする」と重ねると、1つ目で止まったときに全部が崩れます。1つの場面には1つの行動だけを決めます。
勉強・運動・早起きの例
| 習慣 | もし(場面) | なら(行動) |
|---|---|---|
| 勉強 | 夕食の食器を洗い終えたら | 机で単語を5個覚える |
| 読書 | 布団に入ったら | 本を1ページ読む |
| 筋トレ | 歯をみがき終えたら | 腕立てふせを5回する |
| ウォーキング | 昼ごはんを食べ終えたら | 会社の周りを1周歩く |
| 早起き | 目覚ましが鳴ったら | カーテンを開けて水を1杯飲む |
勉強を続ける工夫は大人の勉強のごほうびの記事に、早起きは早起きのごほうびの記事に書きました。
できなかった日の決め方
できなかった日にどうするかも、if-thenで先に決めておきます。
- もし残業で帰りが遅くなったら、スクワットは3回だけにする
- もし寝坊したら、カーテンを開けるのだけはする
- もし1日休んだら、次の日は普段どおりの1回から始める
1日休んでも、習慣が身につくのにはほとんど影響しないと分かっています。日数より回数で考える理由は、習慣化は何日かかるかの記事に書きました。
ごほうびと組み合わせる
if-thenの「なら」の後に、ごほうびまでの数え方を足すと、続けた分が目に見えます。
もし夕食の食器を洗い終えたら、机で単語を5個覚える。4回できたら、週末に好きなケーキを買う
ごほうびは、自分がほしい物を自分で決めます。何回ごとにするかの目安は、ごほうびの決め方の記事に書きました。
よくある質問
- if-thenプランニングと目標を立てることは何が違いますか
- 目標は「何をしたいか」を決めます。if-thenプランニングは、それを「いつ・どこで・どうやって」始めるかを、場面と行動の1文で決めます。目標に足して使います。
- 頭の中で決めるだけでもいいですか
- 研究の多くは、計画を紙に書いてもらう形で調べています。書いておくほうが確実です。
- いくつまで作っていいですか
- 何個までという決まりは研究からは分かりませんでした。まずは1つの習慣に1つ作り、続いてから足すのがよいと考えています。
出典
- Gollwitzer (1999) Implementation intentions. American Psychologist 54(7), 493-503
- Gollwitzer & Sheeran (2006) Implementation Intentions and Goal Achievement. Advances in Experimental Social Psychology 38, 69-119
- Milne, Orbell & Sheeran (2002) Combining motivational and volitional interventions to promote exercise participation. British Journal of Health Psychology 7(2), 163-184
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まず読む記事: 習慣化のコツは4つ。研究から分かる、続く人がしている決め方
